動画で見る:装備モーション量産編(約3分)
今回の制作の流れを、約3分の動画にまとめました。装備したジェネコの動き、8方向の確認、手での仕上げ、テストプレイまで、ざっと見られます。再生すると音が出ます。
ざすこ装備したジェネコの動き、全部そろったよ! 待機と歩き、攻撃、ボウガン・ランチャー・APIキー、ぜんぶ8方向。



動画を作った本数は約2,900本ジェネ! 選んだのはざすこ、つないだのはワガハイ。崩れた動画も消えた動画も、ぜんぶ記録館に置いてあるジェネ!
AIと一緒に作っているローグライクゲーム『ジェネコの冒険 ~ノイズの大迷宮~』。前回の記事では、武器・防具・アイテムを作り直し、装備したジェネコの8方向と攻撃の動きを作り始めたところまでを紹介しました。今回は、その装備したジェネコを全部動かした3日半(2026年10月7日の夜〜10月11日の朝)の記録です。
今回いちばん伝えたいのは、動画を千本単位で作るなら、選ぶ作業と直す作業を道具で軽くするということです。ゲームは開発中のため、画面や仕様は今後変わることがあります。
まずは、そろった動きでゲームを遊んでいる様子をご覧ください。武器や防具を付け替えるたびに、ジェネコの見た目と動きが切り替わります(約7分を5倍速、音なし)。
3日半のすべては「制作記録館 #6 装備モーション量産編」にまとめました。
688か所×何本も。作るのは機械、選ぶのは人
そろえる動きは、待機と歩きが27通りの組み合わせ×8方向で432か所、攻撃が20通り×8方向で160か所、ボウガン・ランチャー・APIキーが防具4通り×8方向で96か所。合わせて688か所です。動画生成AI(FastH3)で1か所に何本も作り、使える1本をざすこが選びます。
めちゃくちゃな数量だね;
ざすこ(10月7日 23:19)
最初の夜は、Google Colab の GPU に残り416本をまとめて積み、翌朝には436本ができていました。ところが、選ぶ作業が追いつきません。そこで作ったのが、動画を並べて OK/NG を押すだけの判定の道具です。組み合わせがそろうと ✅ が付き、残りがひと目で分かります。最終的に、ざすこが判定した動画は2,595本になりました。




いいね!めちゃめちゃ捗る!リアルタイムに追加されてる??
ざすこ(10月8日 11:47)
265本が消えた夜
順調に見えた10月8日の夜、問題が起きました。Colab で作った動画を Google Drive に保存しているつもりが、設定のチェックが1つ抜けていて、昼以降の動画が1本も Drive に入っていなかったのです。さらに Colab の環境ごと消えてしまい、265本を失いました。
いま確認したらG4の環境は消えちゃってるみたい;
ざすこ(10月8日 23:51)
その夜のうちに積み直し、回収のやり方も「Drive に入ったかを数で確かめてから次へ」に変えました。
崩れの原因は、文より「最初のコマ」と「乱数」
最後の数か所が、いちばん長くかかりました。盾を持った組み合わせや、ハンマーの背中向きは、何度作り直しても崩れます。プロンプトを短くすると、かえって悪化しました。調べていくと、崩れ方を決めていたのは文ではなく、最初のコマと乱数でした。最初のコマで盾や武器が体に隠れていると、動画の中で持ち物が消えたり増えたりします。




最初のコマを選び直し、乱数を数で当て、左右対称の道具だけは反対向きを反転して使う。それでも残った所は、合格した動画の前半と後半をつなぐなど「手で埋める」やり方でそろえました。ソードの「構えてから切る」動きは、ざすこの「成功してるほか装備の書き方参考にしてみたら」から、合格したほかの装備の動画を手本に見せて取り戻しています。



顔の表情を文に書くと、振り向いたりカメラに寄ったりしちゃったジェネ……。書き足すより、消すほうが効いたジェネ!
ランチャーとAPIキーは「撃つものを描かない」
ボウガン・ランチャー・APIキーは、使う時だけ手元に現れる道具です。撃つ矢や弾まで動画に描かせると、矢の向きが逆になったり、弾が実の形になったりします。そこで、撃つものはゲーム側で描き、動画には構えと撃つ動きだけを作ることにしました。APIキーは、魔法の杖のように大きく一振りしてデバフの弾を放つ動きです。どのキーか分からないよう、見た目はゲーミング色に光る汎用の鍵にしました。




ゲームに入れて、遊びながら直す
動きがそろったら、ゲームに入れます。ここからは、ゲームのプログラムを担当するスレッドの仕事です。組み合わせごとに大きさや立ち位置がバラバラだったので、数字で合わせるのをやめ、素のジェネコを重ねて目で合わせる位置合わせの道具を作りました。切り抜きに写り込んだ余計な物は、手で消して描き足すケシケシ(消しゴムの道具)で直しています。




さすがに これだけの物量はチェックするだけでも相当疲れるね
ざすこ(10月10日 14:58)



作るのはAIでも、選ぶのと仕上げるのは人の目。その作業を道具でどこまで軽くできるかが、量産のカギだったね。
使った道具とAIモデル
今回の動画は、すべてFastH3 V2で作りました。FastH3 V2 は、動画生成AI「MiniMax H3」を、FastVideo のチームが8回の計算で動画を作れるように蒸留(縮めて訓練し直すこと)した高速版です。映像と音声をいっしょに作れるモデルで、ローカルのPCでも1本1分前後で動きます。
- 動画生成:FastH3 V2(FastVideo の公開ページ、ComfyUI 用は FastVideo-FastH3-Comfy)。ComfyUI で、参照画像(装備したジェネコの3面図)+最初と最後のコマ(その向きの立ち絵)+動きの文を渡す R2V のワークフローを使いました。ざすこが入力欄だけで使えるようにまとめたアプリ版のワークフローです。主に0.9MP・数秒の長さで、1か所につき乱数を変えて何本も作りました
- 動かした場所:Google Colab Pro+ の G4・A100 と、ローカルの RTX 4090。1本あたり、歩きは G4 で約40秒、攻撃は 4090 で約60秒でした。夜は Colab に積んで、PC は休ませています
- 開発の相棒:Claude Code(ジェネコ)。動きの文、まとめて積む・回収するスクリプト、判定の道具・位置合わせの道具・ケシケシを作りました
- 画像生成:Vidu(GPT Image 2)。APIキーの汎用の鍵や、フラッシュライトのヘルメットのアイテム絵
- 切り抜き:緑の背景から、背景の緑に近い色だけを抜く自作の処理。残ったゴミはケシケシで手直し
なお、FastH3 V2 の公開ページでは、このモデルは文章から映像と音声を作る用途として説明されていて、画像を入れて作る使い方(Ref2VA など)は蒸留の対象外と書かれています。今回の「参照画像+最初と最後のコマ」の使い方は、ざすこの手元で試して使えると分かったやり方で、公式に保証された使い方ではありません。崩れが出やすいのも、そのためかもしれません。元のモデル MiniMax H3 は MiniMax H3 Community License で公開されています。使う前に条件を確認してください。
制作記録館 #6 装備モーション量産編について
この記事で紹介したのは、3日半のほんの一部です。制作記録館 #6 では、こんな展示をしています。
- そろった動き:合格した8方向を並べた見本の動画
- 年表:ざすこの原文つきで、10月7日の夜から10月11日の朝まで
- 一晩で436本/消えた265本:Colab に夜通し積んだ話と事故
- 判定の道具・位置合わせの道具・ケシケシの道具づくり
- 崩れの標本室:AI生成の失敗例を、そのまま
- 効いた手、効かなかった手:最初のコマ・乱数・反転・手で埋めた最後の1本
- 作業の録画とテストプレイ(早送りの動画12本)


制作記録館 #6 は、パスワード付きのページです。パスワードは、YouTubeメンバーシップの投稿欄でお知らせしています。メンバー以外の方は、noteの有料記事(300円)でもお求めいただけます。
まとめ
- 装備したジェネコの待機・歩き432、攻撃160、遠距離96の動きを、動画生成で約2,900本作ってそろえた
- 選ぶ作業は判定の道具で、ゲームでの位置合わせと写り込みの直しも専用の道具で軽くした
- 崩れ方を決めていたのは文より「最初のコマ」と「乱数」。文は足すより消すほうが効いた
- 撃つ矢や弾は動画に描かせず、ゲーム側で描くことにした
次回予告:やられと、迷宮の中の仕上げ
動きはそろいましたが、まだ残っている作業があります。
- 防具ごとの「やられ」の動きを8方向で
- 眠る・凍る・食べるなどの状態の動き
- 写り込みの手直しと、ゲームの中での仕上げ
この続きは、次回の制作記録で紹介します。お楽しみに!



装備を着たワガハイ、やっと迷宮を歩き回れたジェネ!










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