ざすこ「もう少し下」「もっと下」「あとほんの少し下」……。モンスターの立ち位置を言葉で直してもらうの、4回目でさすがに疲れちゃった。



だから、ざすこが自分でスライダーを動かせる開発ツールを作ったジェネ! 頼まれてから9分でできたジェネ!
AIと一緒に作っているローグライクゲーム『ジェネコの冒険 ~ノイズの大迷宮~』。前回の記事では、敵キャラ14体に8方向の動きをつけ、アニメーション素材を448本そろえたところまでを紹介しました。今回はその続きです。2026年9月30日の深夜から10月2日の夕方にかけて、その敵たちをゲームの中で動かし、ざすこが遊んでは指摘し、ジェネコ(Claude Code)が直す、という往復をくり返しました。
その往復の途中で生まれたのが、今回の主役の開発ツールです。モンスターの大きさ・位置・影・アニメの速さ・当たったときの演出・効果音を、ざすこが自分で画面を見ながら調整できます。ゲームは開発中のため、画面や仕様は今後変わることがあります。
まずは、開発ツールを実際に動かしているところを、3分の紹介動画でご覧ください(音が出ます)。
開発ツールが生まれるまでと、遊んで直した2日間のすべては「制作記録館 #4 開発ツール誕生編」にまとめました。
遊んで、指摘して、直す。その往復の2日間
敵のアニメをゲームにつないで、ざすこが初めて遊んだのは10月1日の昼でした。そこからは、遊んでは画面写真を撮って「ここが気になる」と送り、ジェネコが直す、のくり返しです。
- 攻撃のエフェクトが、振りかぶった瞬間に出てしまう(「もう0.1秒遅くして」)
- 影が見えなくて、敵が浮いて見える(「まだ浮いてる」「ういてる」「ういてる」)
- 同じ絵のまま、すーっと滑って歩いて見える
- 通路に逃げ込んだら、後ろについてきた敵が見えなくなる
最後の「敵が消えた」は、通路では周りの1マスしか見えない決まりなのに、床だけは明るいままだったのが原因でした。見えていない床に暗い膜をかぶせ、通路ではジェネコを中心に松明のように円く明るくしました。暗がりの中にいる敵は、床と同じ暗さで少しだけ姿が見えます。




この2日間で、ジェネコの素手の攻撃は「ネコパンチ」から「ビンタ」になり、迷宮は15層まで遊べるようになり、階段はハシゴに、「階」は「層」になりました。迷宮の名前とクリア条件は、ざすこがトビラの画面に直接書き込んで決めています。



2日目の深夜に「だいぶゲームらしくなってきた」って言ったんだよね。遊ぶたびに直したいところが見つかるのが、楽しいところでもあるんだけど。
「このやりとりめんどくさいので」から9分で開発ツール
転機は10月2日の昼でした。手のかたちの敵「エクストラフィンガーズ」が、マスから浮いて見えます。ざすこが「もう少し下に」と頼み、ジェネコが数値を変えて素材を入れ直し、ざすこがまた見る。「もっと下」「あとほんの少し下」、そして下げすぎて「正面の時はもう少し上にして欲しい」。4回目の往復のあと、ざすこが言いました。
なんかさ、このやりとりめんどくさいので、表示位置とサイズやアニメーション速度やHITエフェクトの種類とかがモンスターごとに調整できる私がGUIで操作して使える開発用ツールみたいなものつくってもらえたりしないかな?めっちゃ捗りそうじゃない?
ざすこ(10月2日 13:06)
続けて「音も指定できるかな?」「拡張性持たせて今後多機能にしていけるといいね」。13時15分、開発ツールの最初の版ができました。依頼から9分です。
ゲームと同じ描き方でジェネコの隣にモンスターを置き、スライダーを動かすと、その場で見た目が変わります。「攻撃させる」「叩く」「倒す」のボタンで動きも試せます。「保存」を押すと調整ファイルに書き込まれ、ひらいているゲームの画面にもすぐ反映されます。
- 見た目:大きさ、上下と左右の位置(全部の向き/選んだ向きだけ)、影の位置と大きさ
- アニメの速さ:待機・歩き・攻撃・やられ
- 演出:当たった時・叩かれた時・消える時のエフェクトの型と色
- 効果音:攻撃・当たった時・叩かれた時・消える時の音を選んで、その場で試し聴き
もちろん、ツール自体にも往復はありました。最初の版は、向きを選ぶ8つのボタンが「モンスターの向き」だったので、押したボタンと反対の場所にモンスターが出ます。1回目の直しで「置く場所」に合わせたら、今度は矢印の向きが逆に。ざすこが「意味伝わるかな?」と説明し直して、「場所はそのまま、矢印はモンスターの向き」に落ち着きました。






ジェネコの表示のオン/オフを足したところで、ざすこから「いいね~!これは捗りそうだ!!」。そのあとは、ざすこがツールで影を合わせて保存し、ゲームでそのまま確かめる、という流れに変わりました。言葉で「もっと下」と伝える往復が、なくなったわけです。



「もっと下」の「もっと」が何ピクセルか、ワガハイには分からなかったジェネ……。スライダーなら、ざすこの目で決められるジェネ!



同じところを何度も往復するなら、直し方じゃなくて道具を変える。AIに頼むときにも使える考え方だなって思ったよ。
道具は育てる:効果音ライブラリと、影の個別調整
「拡張性を持たせて」の言葉どおり、ツールはその日のうちに育っていきます。
まず効果音。ざすこの「もう使えそうなフリーの効果音はローカルに貯留しておこうか」で、効果音ラボさんとOtoLogicさんの規約を公式ページで確かめてから、ゲームで使いそうなジャンルの効果音を2,210件、手元に集めました。開発ツールに「効果音ライブラリ」のタブを足し、絞り込み・聴き比べ・印つけ・ゲームへの採用までを、ツールの中でできるようにしています。


次に影。使ってみたざすこから「けっこうモーションによってズレるので、これも個別管理にして」と注文が入り、影の位置を「動き×向き」ごとに調整できるようにしました。保存ボタンの置き場所や、左右の位置の調整も、ざすこの使い心地に合わせて足しています。
ほかにも:素材の欠け直し、ざすこ回線、モンスターハウス
ツールで細かく見られるようになると、素材の傷も目に入ります。攻撃で大きく動いた体が、まっすぐ切れていたり、四角いゴミや、体が透けて見えるところがあったり。原因は3つとも別でした(切り出しの枠、影の縁、元の動画に舞っていた光の粒など)。作り直さずに、元の動画から切り直して直しています。


遊びの中身も増えました。ざすこと連絡が取れる「ざすこ回線(通信)」は、3つの選択肢(ざすこのナビ/緊急パッチ/救援物資)に作り直し、使うと150〜300ターンで1回分戻る仕組みに。ずっと持っていると、ときどき途切れてしまいます。5層目からは、眠っていた敵が一斉に起きる「モンスターハウス」も出ます。




制作記録館 #4 開発ツール誕生編について
この記事で紹介したのは、2日間のほんの一部です。制作記録館 #4 では、こんな展示をしています。
- 開発ツール:調整できるものの一覧、あとから育てられる作り、生まれる前と後の比べ
- モンスターごとの調整の様子:14体ぶんの録画
- 年表:4往復から9分で開発ツールが生まれるまでを、ざすこの原文つきで
- ジェネコの武器のデザイン:ドット風 → 4つの方向 → 鉄 → 1枚目に戻る、の迷走
- 素手の攻撃:文字の指示だけで4回ボツになったネコパンチと、採用したビンタの動画
- 遊んで直した画面、素材の欠け・ゴミ・透けの原因と直し方、ざすこ回線の見直し、効果音ライブラリ
- 教訓と残っている課題、開発日誌


制作記録館 #4 は、パスワード付きのページです。パスワードは、YouTubeメンバーシップの投稿欄でお知らせしています。メンバー以外の方は、noteの有料記事(300円)でもお求めいただけます。
まとめ
- 敵をゲームの中で動かし、ざすこが遊んでは指摘し、ジェネコが直す往復を2日間くり返した
- 同じところで4回往復したあと、ざすこの「このやりとりめんどくさいので」から、9分で開発ツールが生まれた
- 開発ツールで、ざすこが見た目・影・速さ・演出・効果音を自分で調整できるようになり、言葉での往復がなくなった
- ツールはその日のうちに育てた。効果音ライブラリ2,210件、影の個別調整など
次回予告:ジェネコの武器と、迷宮の奥へ
武器のデザインは、まだ検討の途中です。次は、開発ツールを使って敵の調整を仕上げながら、ジェネコの装備とモーションに取りかかります。
- ジェネコの武器のデザインを決めて、装備ごとのモーションを作る
- 集めた効果音を、開発ツールで敵ごとに当てていく
- 地下30層のゴールに向けて、迷宮の奥を作る
この続きは、次回の制作記録で紹介します。お楽しみに!



開発ツール、次はワガハイのタブも作ってほしいジェネ!











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