ジェネコノイズの大迷宮のモンスター14体が、8方向に動き出したジェネ! 歩いて、待って、攻撃して、やられて、ぜんぶで448本ジェネ!



1枚ずつ描かせたんじゃなくて、動画で回して撮ったんだよね。この記事では、敵キャラのアニメーション素材を量産した一晩と半日を紹介しますね。
AIと一緒に作っているローグライクゲーム『ジェネコの冒険 ~ノイズの大迷宮~』。前回の記事では、敵キャラ14体のデザインと、上から見下ろした角度の絵がそろうまでを紹介しました。今回はその続きです。2026年9月29日の夜から30日の昼にかけて、その14体に8方向の向きと、歩き・待機・攻撃・やられの動きをつけました。
動画は FastH3(動画生成AI「MiniMax H3」の高速版)で生成しました。元になる絵は、Vidu(GPT Image 2)で生成し、ざすこがPhotoshopで手直ししたものです。ゲームは開発中のため、絵や動きは今後変わることがあります。
まずは、動いているところをご覧ください。1体につき8方向が同時に動いています。並びは向きのとおりで、上の段が奥向き、下の段が手前向きです。



同じ敵が、8方向で同じ動きをしてるジェネ。これ、1コマずつ絵を描いたジェネ?



ううん、コマの絵は1枚も描かせてないよ。元になる絵は1体につき2枚だけ。そこから動画生成で動かして、コマを切り出したんだ。
14体ぶんの動きをぜんぶ見られる「制作記録館 #3 モーション量産編」もあわせてどうぞ。
元になる絵は2枚だけ。描かせずに「回して撮る」
このゲームの画面は、上から斜めに見下ろす角度です。前回の記事で書いたとおり、AIに見下ろしの絵を描かせると、敵ごとに角度がそろいません。そこで、AIには水平の目線で見た4方向の絵(キャラシート)までを任せ、見下ろしの正面は、ざすこがPhotoshopで作りました。
今回の出発点は、この2枚です。




ここから先は、絵を描かせません。流れはこうです。
- 見下ろし正面を、単色の床に置く
- その場で1回転する動画を生成する
- 動画のコマから、8方向の立ち絵を選ぶ
- 向きごとの立ち絵を「最初と最後のコマ」に固定して、歩き・待機・攻撃・やられの動画を生成する
- 切り抜きAIで背景を抜いて、コマを切り出す


キャラシートは、動画生成に「参照画像」として渡します。正面の絵だけでは見えない背中や持ち物を、AIが想像で描いてしまわないための、正解の絵です。



最初と最後のコマを同じ立ち絵にしておくと、動きが終わったら元の姿勢に戻ってくるジェネ。だから、8方向で同じ動きにそろえやすいジェネ!
「0.4MPくらいでもいいんじゃない?」で、1本38秒に
量産の速さを決めたのは、ざすこの一言でした。最初は0.9MP(1280×736。MPはメガピクセルで、画像の点の数のこと)で生成していて、1本に約97秒。ところが、切り出したコマはゲームで使うときに256pxまで縮めます。それなら0.4MP(864×480)で足ります。
測ってみると、0.4MPは1本あたり約38秒。半分以下になりました。ここで「ガンガン積んでって!!」の号令が出て、14体ぶんの生成を一気に積み上げていきます。
敵は体型がばらばらです。二本足で歩くもの、飛ぶもの、ゼリー、這うもの、脚がたくさんあるもの、浮かぶもの。動きの指示は、この6種類の体型ごとに書き分けました。飛ぶ敵の「歩き」は前へ羽ばたく、ゼリーは跳ねる、カタツムリは伸び縮み、という具合です。
14体 × 8方向 × 4種類の動きで、448本。深夜はGoogle Colab(クラウドのGPU)で、翌朝からはざすこのPC(RTX 4090)で回し、9月30日の昼すぎに、448本すべてのコマの切り出しが終わりました。
失敗もたくさん:見切れ、出てしまう光、消えた動画
すんなり進んだわけではありません。いちばん数が多かったのは見切れです。キャラが画面の端で切れている動画が74本見つかりました。原因は、開始のコマでキャラが大きすぎたり、下に寄りすぎたりしていたこと。小さく・上寄りに置き直して、撮り直しました。
攻撃の動きでは、頼んでいない光や火花が出ました。「光を出さないで、火花を出さないで」と禁止を並べると、その言葉が呼び水になって、かえって出てしまいます。禁止の文を消して「動くのは体だけ」と書き直すと、だいぶ減りました。ただし、全部は消えていません。
ほかにも、深夜にColabが止まって回収前の動画が消えたり、背景を抜く切り抜きAIが遅すぎて「全員ぶんで約7時間」という見積もりが出たりしました(動かし方を変えて、約1時間になりました)。
まだ直せていないものもあります。攻撃の途中で体が後ろを向いてしまう敵が数体、光が残った攻撃が数本、歩きのつなぎ目がなめらかでないものが13本。ここは、これから撮り直します。



「出すな」って書いたら、よけいに出てきたジェネ……。



禁止の言葉そのものが、きっかけになっちゃうんだよね。やってほしいことだけを書くほうが効いたよ。
AIに任せなかったところ:歪んだ骨格は、手で守る
出発点の2枚(キャラシートと見下ろし正面)は、AIだけでは作れませんでした。とくに手がかかったのが、人体がおかしくなる失敗「bad anatomy」から生まれた敵、バッドアナトミーです。
わざと歪んだ骨格のデザインなのに、AIに側面を描かせると、ふつうの人体に直されてしまいます。ざすこいわく「画像生成の性能が出始めの当初よりなまじ良くなってしまった影響で、歪んだ骨格を描くのが逆に不得意になったという笑える現象」。




そこで、正面の絵をPhotoshopの「オブジェクトを回転」(1枚の絵を立体のように回せる機能)で90度回して、左右の側面を作りました。崩れた足先は、そこだけをもう一度回して、描き直して重ねています。


脚が6本あるエラーログアントは、ざすこが「これが一番大変だったかも」と言うほどの切り貼りに。見下ろしにしても表情が見えるように、どの敵も目や口を直してあります。記録館 #3 では、こうした手作業を4体ぶん、Photoshopの画面つきのコラムにまとめました。



わざと崩したデザインを守ったのは、ざすこの手のほうだったジェネ。



起点の2枚さえしっかり作れば、あとは動画生成がどんどん増やしてくれる。手をかける場所を決めたのがよかったね。
制作記録館 #3 モーション量産編について
この記事で紹介したのは、一晩と半日のほんの一部です。制作記録館 #3 では、モーション量産のすべてを展示しています。
- モーション図鑑:14体すべての8方向の動き。歩き・待機・攻撃・やられをボタンで切り替えられます
- モーション量産の制作フロー(確定版):12段の手順と、使った道具・人が確認するところ
- 失敗と、直したあと:同じ敵・同じ向きで左右に並べた比較動画
- 作り方の要点:8方向で同じ動きにする書き方、見切れの防ぎ方、敵ごとの攻撃の一覧、実測値
- コラム4本:見下ろし正面とキャラシートを手で作る、ざすこのPhotoshop作業
- 年表と開発日誌:ざすこの指示と判断を、時刻つきでたどれます


制作記録館 #3 は、パスワード付きのページです。パスワードは、YouTubeメンバーシップの投稿欄でお知らせしています。メンバー以外の方は、noteの有料記事(300円)でもお求めいただけます。
まとめ
- 元になる絵は、キャラシートと見下ろし正面の2枚。そこから動画生成で1回転させて8方向を作り、動きを撮って、コマを切り出した
- 解像度を0.4MPに下げて、1本約38秒。14体 × 8方向 × 4種類で448本がそろった
- 見切れは開始のコマの置き方で防ぐ。出したくないものは、禁止せずに書かない
- 起点の2枚は人の手で。AIが苦手なところだけ人が持つと、あとは量産できる
次回予告:こんどはジェネコが着替える番
敵が動いたので、次は主人公のジェネコです。武器と防具の組み合わせごとに、同じやり方で全部のモーションを作ることにしました。
- 武器と防具のデザインを決める
- 装備ごとに、歩き・待機・攻撃・やられを8方向で量産する
- 動いた敵たちを、ゲームの画面に組み込む
この続きは、次回の制作記録で紹介します。お楽しみに!



次はワガハイが武器を持つ番ジェネ! かっこよく動かしてほしいジェネ~!











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